【コロナショック後の経営について考える その3】
皆さま、こんにちは。
大好評を得ている「コロナショック後の経営を考える」シリーズですが、「その1」ではビジネスモデルの再構築が重要だということ、「その2」では、現状を見直すことの重要性についてお話しました。
(詳しくは、前回のブログにアップしております。お見逃しの方は是非ご覧ください)
今回は、内部環境と外部環境の違いについてお話します。
私たちのビジネスは、外部環境からの影響を大きく受けています。社会や地域などとの関係を全く考慮せずにできるビジネスなんてありません。
外部環境とは、文字通り、「外部」の環境です。もちろん内部環境という言葉もあるのですが、重要なのは、この「外部」、「内部」をどこで分けているのかです。
結論を言うと、「経営者(意思決定者)の思い通りにことが進むのか?」ということです。
経営者は会社の意思決定をすることができますので、例えば、「この新商品を売ろう」とか、「これから研究開発に力を入れよう」とか、「この人を採用しよう」とか、難しいかどうかはともかく、思い通りに会社を動かすことができる存在です。このように、経営者が決めることができる事項が「内部環境」です。
しかし、そんな経営者でも、天候や相場、人々の価値観の変化やライフスタイルの変化などは、把握したり予測したりすることはできても、コントロールすることはできません。
また、「この人を採用しよう」と決めることができても、そもそも、人手不足であるという社会的な背景をどうこうすることはできません。
このように、経営者がどうにもできない事項を「外部環境」と言います。
実は、戦略を理解する上では、この「内部環境と外部環境を明確に意識分けする」ことは、非常に重要です。
なぜなら、戦略(作戦)は、自分で決めて行動できる範囲の中で、立てることができるからです。
外部環境は、大きな影響を与えるので非常に重要ですが、戦略を立てる上では、「参考」にすぎません。
だからといって、立てた戦略が独りよがりとなってはいけません。ある程度の成功確率や合理性があるかどうかは、主に外部環境と照らし合わせて見ていきます。
ですので、どっちが重要とかの話ではなく、「内部環境」と「外部環境」は戦略を考える時の両輪のようなものですね。
内部環境については、次号以降に詳しく話しますが、外部環境において非常に重要なのは「市場」です。
市場とは「お客様(候補)のカタマリ」です。
市場は、「どのくらいの大きさなのか?」、「全体的にどのような傾向にあるのか?」、「今後どのような方向に動くのか?」を捉えます。
これを踏まえて、「今回特に売りたいのは誰か?」というターゲットを設定します。ターゲットは、自社が決めることができますので「内部環境」です。
これで、市場は外部環境でターゲットは内部環境であることが明確ですね。だから、市場は「調査」することができ、ターゲットは作戦として決めることができるのです。
この内部環境、外部環境を分けずに物事を見ていくと、「うちの売上が上がらないのは不況のせいだ」という結論になってしまうかもしれません。
確かに、そこにも大きな原因があるのかもしれませんが、不況は外部環境ですので、外部環境だけを原因として捉えてしまえば、好況になるまでじっと待つしかないのです。
もし、「売上が上がらないのは、お客様が欲しい商品がないからだ」と捉えることができれば、商品(の品揃え)は内部環境ですので、作り方や仕入方を変えるなど、戦略を考えて行動することで、状況が打破できるかもしれません。
今回は、簡単なことなんですけど、とても大事な「内部環境と外部環境を意識的に分けて考える」ことについて、お話をしました。
次回は、いよいよ、戦略を考えるのに重要な内部環境の要素について考えたいと思います。
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