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~ディセンターな人たち vol.17より~


ディセンターメールマガジンをご覧の皆さま、こんにちは。


前回のコラムでモンゴルへの出張をご紹介したところ、多くの反響をいただきました。

その中でも、一番多くいただいたご質問が「モンゴルとどんな事業をやるのですか?」というものです。


正直に言えば、一回行っただけではわかりません。ただし、注目しているのは「ゲル」です。


ゲルは、モンゴルの遊牧民が使っている移動式住居です。一般的なゲルは、木とウールで組み上げる非常にシンプルな構造になっています。しかし、そのゲルにもイノベーションが起きています。


それは、モンゴルの家具メーカーによる高級ゲルです。日本では高級品にあたる、良質なウールを惜しげもなく使っています。先日、モンゴルでの大臣級会議がこのメーカーによるゲルで開催されました。


この家具メーカーでは、古代フンヌ*時代をモチーフにしたゲルを開発しています。

モンゴルの家具は、大胆かつ繊細な彫刻で有名です。そこで、このメーカーは彫刻技術を活かし、内装やドアに見事な彫刻を施しています。*フンヌ:紀元前4-5世紀頃にモンゴル一帯を支配していたとされる一大勢力


また、清潔感を意識している点も特徴です。見た目がきれいなだけでなく、匂いもありません。

これは、ゲルを囲むウールを丁寧に洗浄していることによるものです。この家具メーカーは海外市場を意識しているため、伝統と革新をイメージしたゲルに開発の方針が向いたのでしょう。


日本では、モンゴルのウールにあまりなじみがありません。実は、モンゴルウールの生産量が世界でも多いことはご存知ですか?しかも、お手頃な価格で品質も良いモンゴルウールは探せば数多くあるのです。


コンサルティング会社を経営する私が、ここまでゲルへこだわるには理由があります。

それは、当社のお客様をはじめ関係する方々へ、価値の創造をご提案したいためです。


現在、私は全国の商工会や商工会議所で講演をさせていただいております。

テーマは様々ですが、その中でも地域創生は非常に難しいテーマです。


地域創生には、地域資源を使って地域にお金が落ちる仕組みを作ることが重要です。

しかし、現実には結果を出しづらい地域資源もあります。

それでも何とかする、というプロの矜持にも尊敬の念を抱いています。


一方で、新たな選択肢を作るという考え方も良いのではないかと考えています。

地域資源に新たな何かを取り入れることで、価値を創造するという発想です。


そのような意味で、このゲルなんかは格好の素材だと思います。

ゲルで地域おこしというよりは、地域おこしの要素としてゲルを活用するイメージです。

ゲルで地域産品の料理を提供する、伝統工芸品の販売イベントをゲルで開催する、温泉の宿泊施設としてゲルのキャンプ場を作るなど、アイデアが広がります。


ゲルに限ったことではありませんが、価値の創造という考え方は大事だと思います。

新たな素材を一品いれるだけで、イノベーションが一気に加速することは多くあります。


ぜひ、皆さんの地元でも考えてみてください。

 

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